こんにちは、荒蒔です。
今、現在、沖縄での麻疹(はしか)が、流行ってるそうです。
はしかで、沖縄旅行取り消しになったらしく、
323人感染したらしいです。
怖いですね。
その原因の一つは、台湾から沖縄へ観光旅行にやってきた、
たった1人の外国人から始まりました。
たった1人の麻疹患者から、感染が、
拡大してしまうという事が、起こってしまうのです。
麻疹は、知っての通り「空気感染」する、大いに感染力の強い、
ウイルス感染症です。
インフルエンザなどの「飛沫感染(ひまつかんせん)」では、
くしゃみや咳などで、水分を含む重く大きな粒子が飛ぶため、
2m以内でそんなにの粒子が床に落ちてしまいます。
ただし、「空気感染」では小さく軽い粒子が、
ふわふわと空中を長い間浮遊する事で、
同じ個室の中にいるだけでも、
感染する見込みがあります。
麻疹は、われわれが自分の手の届く範囲に経験する、
一般的な感染症の中でも、最も感染力が強いウイルス感染症なのです。
10〜12日程度の潜伏期間を経て、麻疹を発症した初期には、
鼻水、喉の苦しみ、咳などの、風邪のような、
ごく軽い症状だけの頃合があります。
このタイミングには、典型的な高熱と発疹が出現していないため、
たとえ感染症の専門医師であっても、症状だけで、『麻疹』だと、
判断できません。
けれども麻疹は、こういった軽い症状のポイントから、
すでに強い感染力をもっています。
このため、本人も自覚のないまま、
他の人に感染を広げていってしまいます。
麻疹には、発症してから、
直接ウイルスを抑えられるような、治療薬がないのです。
また、重症化すると肺炎や脳炎などを起こす確率があります。
加えて、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という合併症も、ごくまれです。
これは、感染してから、数ヶ月から数年の長い経過で、
徐々に脳神経症状が、進行していくという重い病です。
そして、妊婦が感染してしまうと、早産や死産のきっかけとなる事があります。
麻疹においては、「かからない事が最善の策」です。
それによりには、ワクチン接種によって、
麻疹に対する免疫をつくっておく事が必要です。
現在は、ワクチンの決まった防止接種を、
2回受ける事になっています。
けれども、決まった接種になる昭和52年(1977年)より前に生まれた人は、
また決まった接種となっても、1回接種のみだった人の中に、
十分な免疫をもっていない人が多く残っています。
加えて、ワクチンを2回接種しても、十分な免疫がつかない人もいます。
ただし、こうした人が麻疹を発症しても、その多くは「修飾麻疹」です。
普通の麻疹と比較して軽い症状だけで終わる事が全くです。
しかも今の時代の知見では、この修飾麻疹においては、
他の人への感染力も低くなる事が示されています。
今度のような麻疹のはやるが起こった時には、
ちょっとでも感染した人を早く見立てして、
他の人への感染を防ぐ事が必要となります。
麻疹を発症した人は、「解熱して3日が経過するまで」の期間は、
出勤・登校・登園、あるいは、外出を控えなければいけません。
そして、流行が起こっている地域においては、免疫をもっていない人への、
ワクチンの緊急接種もすすめられます。
麻疹は、たとえ「排除ステータス」となっても、
防止のための対策を継続する事が必要です。
医療関係者の方は、日本の麻疹が、
輸入感染症となっているという事を、
再検証しておくべきです。
ワクチン未接種や1回接種のみだという方は、
流行のないタイミングにも、
ワクチン接種を見定めしてください。
さらに、外国へ渡航する予定の方は、もしも、
麻疹にかかった事がなく、ワクチンを接種していないかわからない場合、
渡航前に、防止接種を受けておく事を、おすすめします。
麻疹のはやるを繰り返さないためには、社会の中では、
『流行しにくい環境』をつくっておく事が、大事と言えますね。
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