こんにちは、荒蒔です。
病院では、手術や救急車受け入れといった、
緊急性の高い医療を行う施設
リハビリテーションを中心に行う施設
精神疾患を専門に治療する施設など、
各々の役割に応じた医療働きをしており、コストを削減する構造がそれぞれ違います。
今回は、病院の医療機能の違いについて、
どのようにコスト削減をしているのか?見ていきましょう。
急性期病院は「移り変わり費型」、慢性期病院は「固定費型」があります。
急性期とは、「病気になりはじめた時期」のことを言います。
病気や、けがによる症状が急激に現れるため、患者さんの身体的や、
精神的な負担が大きい時期でもあります。
一方、慢性期とは、病状は比較的安定している時期のことを言います。
再発の予防や体力の維持を目指し、長期にわたる治療を続ける必要があります。
患者さんが治療に対して、後ろ向きになってしまう場合もあるので、
その気持ちを受け止めながら、社会復帰を後押しすることが大切です。
それでは、病院働き別に、固定費率と変動費の割合を見ていきましょう。
固定費は、給与費+減価償却費+研究研修費+財産減耗費+経費の1/2移り変わり費
原材料費+経費の1/2どの機能の病院も、変動費より固定費の方が高いですが、
相対的に、
急性期病院は「変動費型」
慢性期病院・精神科病院は「固定費型」
といえます。
急性期病院は、手術に使用する物品や、
薬物療法に使用する医薬品を、大量に調達するため、
具材費が多くなり、変動費の高く、コストがかかります。
一方、慢性期病院は、手術や薬物療法は少なく、リハビリや看護など、
人によるサービスが中心となるため、相対的に、
固定費(大抵給与費)が高くなる性質があるのです。
特に、精神科病院の支出は、80%超が固定費となり、
労働集約度が高いビジネスになります。
例えば、100床あたり医業総額で見ていきましょう。
急性期病院は、慢性期病院の1.7倍です。
100床あたり、リアルな話、年間医業出費は、
急性期病院23.3億円、慢性期病院14.0億円、精神科病院9.6億円
と、病院性能によって、大きな差があるのです。
急性期病院の方が、ビジネススケールが、大きくなることがわかりますね。
「変動費型」病院の費用削減戦略は、急性期を中心とした、変動費型の病院は、
真っ先に、材料費を中心とした、変動費の削減を優先しましょう。
病院は、サービスの単価を自由に上げる事ができないため、
損益分岐点を下げるには、変動費へのアプローチが有効です。
固定費は、給与費以外の項目に削減の余地がないか、検討してください。
一例を挙げれば、清掃や警備といった、外部委託費や医療機器保守料などです。
急性期病院は、患者の回転が速く人手が必要になるため、
安易に給与費に手を出してしまうと、働いてる方の不満が出て、
やる威力も、失ってしまいます。
一方、慢性期病院・精神科病院といった固定費型の病院は、
そのビジネススケールからも、支出削減より、多くの患者さんと、
稼働維持の方が、肝心になる事が多いのですが、
支出削減に取り組む場合は、最初に、
給与費以外の固定費に削減の余地がないか、詳しく調べ、
確かめましょう。
成功すれば、利益を大きく増やす事もできるのです。
そして、慢性的に、超過勤務が生じてしている時は、
業務効率化による、時間外手当削減も、確認いたしましょう。