こんにちは 荒蒔です。
本日は、病院コスト削減シリーズとして、消化器内科や、消化器外科で使用される、
病院における、償還のコスト削減について解説します。
消化器領域の医療原材料は、非償還原材料が大ところを占めますが、総合病院であれば、
ほぼ一通りの病院で使用する領域でもあるため、見過ごせません。
ターゲットは、「ステントセット」と「カテーテル」です。
他の領域同じく、消化器領域においてもパレート分析を行いましょう。
もう一度、復習の意味も込めて、パレート分析を解説しておきます。
パレート分析とは?
パレート分析とは、構成要素を占める割合の大きい順に並べ、それらの割合と、
累積量をまとめ、上位の要素が全体に、どれほどの影響を与えているかをみる分析方法です。
パレート分析を行うと、支出量の多い上位20%の項目で支出総額の80%を占めていた、など
分析を行うことによって、わかります。
一般的に、重要なもの・影響度の高いものから処理することは重要です。
コスト削減においても同様で、支出割合の大きいものほど成果が出やすくなります。
また、時間的・労力的リソースの観点から、コスト削減を実行できる費目には、
限りがあるので、より効果の期待できる費目から取り組むことが重要です。
一般的には、胆管ステントセットや、各種カテーテルの年間購入代金が大きくなるため、
優先してコスト削減の対象とします。
コスト削減対象項目が決まれば、普通な戦略は他の領域と同じく、
製品の標準化(特定メーカーへの集約)による買い物値段の引き下げです。
言うまでもなく、市場価格を確認した上で、目標となる償還価格からの、
割引率を設定する事も忘れてはなりません。
ステントもカテーテルも、メーカーはそれほど多くないのです。
充分に各メーカーの質と値段を比較したうえで、医師に提案をして下さい。
カテーテルは、ルーメン数の適正化が支出削減に繋がる
消化器領域に限定せず、カテーテルは投与される薬剤の種類により、
内腔が
1つのシングルルーメン
2つのダブルルーメン
3つのトリプルルーメンに分かれます。
償還費用および市場値段は俗に、ルーメン数が増えるほど高価になります。
例を挙げると、「胆道結石除去用カテーテルセット(経内視鏡)」の償還プライスは、
ダブルルーメンで30,000円
トリプルルーメンで35,000円
と5,000円の差があります。
普通に1種類の薬剤投与であれば、シングルルーメンで良いのですが、
医師に、カテーテルの使用状況をヒアリングすると、特に理由なく、
ダブルやトリプルを使っているケースがかなり多くあります。
手術前に、カテーテルを支度する手術室や、内視鏡室の看護師も同じで、
「いつも先生が使っているから」という理由で、
ダブルやトリプルをどんどん出している病院もあります。
これでは、コスト削減に繋がりませんよね。
医師に、ルーメン数による費用の相違を解説したうえで、
できるだけ少ない、ルーメン数のカテーテルを使用するように意識してもらうだけで、
大きなコスト削減に繋がります。
医師のこだわりや気分で、製品の切り替えが難しい場合は、この視点で、
提案してみると良いと思います。