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こんにちは 荒蒔です。

5月に注意してほしい感染症シリーズ『ロタウイルス感染症』最終です。

3月頃までは、インフルエンザの流行もあり、感染対策にも敏感になっていた方も、

多くいらっしゃると思います。しかし、5月にもなるとインフルエンザウイルスの、

感染ピークも過ぎて、感染症への警戒が緩んでしまいがちです。

 ほとんどすべての子どもが4~5歳までに感染します。

初感染であれば、新生児期を除いて、不顕性感染(感染していながら、患者さんの診療に

あたり、確認し、健康にみえる状態)はまれです。

生後6か月以降、2歳未満の時期に感染すると、もっとも重症化しやすいといわれており、

入院治療を必要とする、乳幼児下痢症の35~52%がロタウイルスによるものです。

かかりやすいのは乳幼児で、特に1歳児に多く、年齢が上がるにつれだんだんと、

減っていきます。脱水などのために、入院治療が必要となるのは、

ほとんどが就学前(6歳以下)の乳幼児で、2歳未満児(ただし、3か月以上)が、

過半数を占めます。生涯をとおして、ロタウイルス感染は繰り返し起こりますが、

一般に年長児や成人は不顕性感染となります。

症状の特徴

ノロウイルスと同じく、感染すると、急性の感染性胃腸炎にかかりますが、

少しずつ特徴が違います。

ノロウイルスは、11月から2月までの冬季、ロタウイルスは3月から5月が流行時期です。

感染性胃腸炎の症状は、どのウイルスや細菌が病原であっても、

嘔吐・下痢・吐き気が共通します。

ロタウイルスの場合は、それに加えて38度以上の発熱が特徴です。

感染すると、2日~4日の間は体の中に入り込み、徐々にウイルス量を増やし(潜伏期間)、

その後発症します。

発症するとこんな症状が出ますよ。

1)水のような下痢・嘔吐

2)吐き気が続く

3)脱水症状*数日間続くこともある

4)発熱(38度以上*小児の1/3が39度以上の発熱を報告している)

5)腹痛・お腹の不快感

下痢・発熱がノロウイルスの場合と異なる特徴の症状ですが、

下痢がひどい時や発熱で汗をかいた後に、

脱水症状になりやすいのもロタウイルスの症状の特徴といえます。

たいてい1~2週間で自然と治ります。

が、要注意なのは、重症化する時です

合併症も注意が必要で、

1)けいれん

2)肝機能異常

3)急性腎不全

4)脳症

5)心筋炎

などが起こることがあって、死亡報告もゼロではありません

ロタウイルスが原因の胃腸炎で亡くなった人は、日本では毎年2~18名が報告されています。

感染力が強すぎて感染予防は困難

お手洗いや、病院の院内感染を防ぐ意味でも、皆様しっかり手を洗いますよね。

でも、十分に手を洗っても、手や爪にウイルスが残っていることがよくあるのです。

その後、その手で、食事をしたり、他の物を触ったりもします。

当然、体の中に、ウイルスが入ってしまいます。

こんなふうに、どんどん感染が広がってしまい、しっかり、爪の指先まで洗わないと、

ロタウイルスの感染力は、非常に強い事がわかります。

また、たとえ衛生状態が改善されていても、

ロタウイルスの感染予防はきわめて難しいとされています。

他の国ではどうでしょうか?

ロタウイルスが原因の、急性胃腸炎による死亡や、重症例の数が、国によって違うのは、

その国の医療体制の優劣に左右されているというわけです。

日本では当たり前かも知れませんが、発症したらすぐに、受け入れ体制が整っている病院で、

適切な処置ができますが、他の国では、そういうことはできません。

医療機関が整備されていない他の国では、ロタウイルス感染症が原因で、

死亡する乳幼児がたくさんいるのです。

小さい子供を持つ親としては、助かったかもしれない乳幼児の死亡は、

本当に悲しく、悔しいことだと誰もが思います。

同時に、自分は、日本に生まれ、死率の高い感染症に、出会うこともなく、

衛生環境が悪いことによる「死亡」なんて、想像すらできないほど、

恵まれて過ごしているということを実感します。

日本の医療は、ものすごく進んでいて、他の国に比べても優れております。

医療関係者の方々には、感謝です。